ケアコム Carecom Smile

Carecom Smile

共創いただいた病院国立大学法人 福井大学医学部附属病院様

病棟業務を可視化する
新しいITシステム

ショートターム・マネージメントシステム

共創いただいた病院国立大学法人 福井大学医学部附属病院様

病棟業務を可視化する
新しいITシステム

ショートターム・マネージメントシステム
ショートターム・
マネージメントシステム
病棟業務を可視化し、本来必要な看護提供量を確保できるよう支援するシステム。業務量の可視化に基づく客観的な業務分担や看護行為の優先順位の明確化など、短時間のPDCAサイクルによる効果的な業務マネージメントを実施。患者さんとそのご家族へ質の高い看護サービスの提供を実現します。

Project Menber

ご協力いただいた看護部の皆様

(左から)

副病院長・看護部長 江守 直美さん
看護師長 伊藤 幸子さん
情報担当副看護部長 大北 美恵子さん
看護師長 五十嵐 行江さん

本ページの内容は、2014年より開始した取り組み時の情報に基づいています。

新看護提供方式PNSを開発したことで知られる福井大学医学部附属病院様。ケアコムでは以前より、「看護業務を可視化し、現場のマネージメントに活用する」というテーマでさまざまな提案をさせていただいておりました。何度かご提案するうちに、病院様のほうから「別のアイデアがある」とご相談いただいたことがきっかけでした。 ※PNS…パートナーシップ・ナーシング・システム

大北さん 転記作業の省略と業務進捗の把握を実現したいと考えていました。

Step1

進まない電子化

江守さん

電子カルテの導入以降、病院内では記録の電子化が進んでいました。それにも関わらず、その日の検査や手術の予定、看護業務、注意すべき指示などを、看護師が各自で紙の個人ファイルに転記しているという現状でした。

大北さん

業務の進捗状況に合わせて業務をリシャッフルする際に、各チームの業務がどこまで終わっているか、何をどう補完すればいいのかなど、紙媒体で個人の予定を管理していたためリーダーやほかのチームが把握することができません。看護師個々の自己申告に頼らざるを得なかったんです。

江守さん

仕事が残っていても遠慮して言い出せずに業務を抱え込んでしまい、結果として超過勤務も発生していました。

Step2

新システムの開発をご提案

坂本

看護部様では病棟マネージメントの改善に向けた取り組みを以前より行っており、私たちも看護の見える化(=気づき)のサポートのために、ディスカッションに参加させていただきました。

そして2014年10月、次世代システムの「マネージメント機能」の開発をご提案。1勤務帯の中でリアルタイムにマネージメントを行う「ショートターム・マネージメント」についてご説明しました。その中で、ペア内での業務分担と個人ごとの作業進捗を管理することで、業務遅延の要因を考慮したリシャッフルが可能になるのではないかという、システムの素案が議論されました。

その後、素案に基づいたペアスケジュール管理、個人スケジュール管理、業務調整ビューなどのイメージ図を作成し、11月に看護部様にレビューしていただきました。そこでは、「病院情報システム(HIS)から予定情報は取得せず、手入力で運用する」というアイデアが提案されました。

坂本

翌12月には病棟様にお伺いし、PNSの実務見学やワークシートの活用状況などを見学し、現場スタッフ様へのヒアリングも実施。マネージメント機能のシステム化に必要な項目の確認を行い、「情報共有はペアの記入を参照できること」「作成した予定、順番、作業量をリーダーが確認し介入できること」といったポイントをまとめていきました。

そして、モックアップを作成し、再度、病院様にレビューしていただいたうえで、翌年3月、10日間にわたって一回目の試験運用を実施しました。

Step3

一回目の試験運用を実施

坂本

一回目の試験運用を行ったところ、作業量の可視化ができたことにより、看護師長様が緊急時の割り込み作業を配分する際の目安にできるという成果が得られました。一方で、スケジュール作成のために、患者予定をシステムに転記する作業に30分もかかってしまうというお声も。

大北さん

そうなんです。「看護業務」や「業務遂行に必要な時間」をパソコンとスマートフォンの両方で入力できるようにしたのですが、入力項目の看護業務を探し出すのにとても時間がかかるようで。「必要時間まで入力できない!」と、看護師からは苦情が相次ぎました。また、システムダウンを考慮して紙媒体でも記録を残しておきたいという思いがあり、やはり転記作業をしているという状況は変わりませんでした。

ワークシートのモックアップ画面。患者予定、スタッフ予定が表示される。
リシャッフルのとき、残っている業務のやりとりができる

五十嵐さん

実際にシステムを使い始めて感じたのが、パソコン画面の見づらさでした。予定を一覧できない、電子カルテの画面をいちいち切り替えないと予定画面が見えなくて面倒、スマートフォンではナースコールが鳴ると予定画面が見えなくなるといった使い勝手の悪さがあり、ほかの看護師からも指摘を受けました。

坂本

業務が忙しくなると実施入力が後追いとなり、リアルタイムで進捗が確認できず、本システムを活用したリシャッフルができないといった課題もありましたね。

さまざま浮上した課題を病院様と弊社社内で共有し、弊社システムを改良しました! 坂本

進捗確認のモックアップ画面。各チームのスケジュールの作業時間(分)を積み上げたグラフ。【黄】未実施 【紫】実施済などと、色分けして表示される。下の表の右側には、各チームの残勤務時間と残作業予定が表示される

Step4

課題を一つずつ改善!

伊藤さん

二回目の試験運用時には、各病棟の特徴ある業務と時間帯を洗い出し、看護業務の項目と予定時間を自動入力されるように設計していただきました。

坂本

検温などの毎日必ず行う定常の予定を病棟ごとに設定していただき、マスタ登録できるようにしました。

伊藤さん

現場の看護師からは、「ほとんど自動入力になったので、予定入力作業が楽になった!」という言葉が聞かれましたね。

大北さん

とても苦労したのが、看護業務の標準化です。同じ業務であっても看護師の経験年数によって必要な時間は変わります。一つの看護業務に対してどのくらいの人手と時間がかかるのか、その標準を決めるのに非常に時間を要しました。

新・予定登録画面。一回目の試験運用であがった「予定の登録・変更するのに手順が多く時間がかかる」という課題に対し、複数の予定登録、新規予定登録、予定編集を一画面で行えるように改良した

Step5

スムーズに運用中

五十嵐さん

改良後は、タイムリーに進捗状況がわかるようになり、業務進捗が遅れているチームに人手を割いたり、業務割り振りを見直したりできるようになり、スムーズに運用が進んでいます。

坂本

業務進捗のグラフを見ながらリシャッフルの判断の一助とされていた場面を見たときは、とても感激しました!

大北さん

ただ残念なことに、看護記録から業務を登録するのは未だに転記作業が必要なんですよね。この業務負荷が看護師にとってまだまだ高いんです。

坂本

そうですよね。この件は当初から議論されていましたが、若手看護師のタイムマネージメント能力の向上のためにも、ご自分たちでスケジュールを組み立てて、入力を行うスタイルにされました。しかし、そうした手間と目に見える効果のバランスがよいとは言えません。そこで、教育効果はいったん保留とし、電子カルテと連動するフルオートマチック化への構想があがっているんですよね。今後はその開発に力を注いでいきたいと思っています!

ワークシート画面。メモ欄の追加、横時系列スケジュールの追加、
一画面で表示するための改善を行った

現場のマネージメントを行うリーダー様や看護師長様には、業務を可視化できるメリットを大いに感じていただくことができました。今後も病院様とディスカッションを重ねながら、より現場の皆様の力になれるよう、改善を重ねていたいと思っています。

病院概要

国立大学法人 福井大学医学部附属病院

所在地
〒910-1193 福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3
開設
昭和58年10月
病床数
600床
ホームページ
https://www.hosp.u-fukui.ac.jp/

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