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日本赤十字社 さいたま赤十字病院様

摂食嚥下に関わる事故防止のための
職員様向け『摂食嚥下あるある事例集』を作成!
わかりやすさを追求して
4コマまんが風のイラストで98事例を掲載

本ページの内容は、2017年より開始した制作時の情報に基づいています。
作成ツール摂食嚥下あるある事例集
ケアコムでは、病院様のご要望をお聞きしながら、現場で役立つツール制作も行っております。さいたま赤十字病院様との取り組みにおいては、職員様用の教育ツールとして、摂食嚥下インシデント・アクシデントの防止・低減に向けた事例集を作成しました。院内の職員様に配布し、口腔ケアや食事介助の方法を見直すきっかけとして活用いただくほか、 入院患者さんやそのご家族にも見ていただくことで、入院時のリスクの説明にも役立てていただいています。
ダウンロードいただき、皆様の施設でもぜひご利用ください。

さいたま赤十字病院様は、窒息や心肺停止状態で救急搬送されてくる患者さんが増えてきている状況です。そのため、院内でも窒息や心肺停止が起こり得るリスクを懸念されていました。また、院内で発生した場合は事故として扱われ、裁判になる可能性も考えられるため、病院の信頼を維持するという意味でも事故の発生を防止したいという意識が高まっていました。そこで、誤嚥などによる窒息や心肺停止事故のリスクを理解し、十分な対応ができる教育ツールが欲しいとの要望をいただきました。

永松 英示
環境整備支援ユニット
リーダー
石川 富雄
環境整備支援ユニット
既にご活用いただいている『転倒・転落あるある事例集』にならい、職員様向け事例集を4コマまんが風に伝える仕様で、病院様と協働で作成しました!

『転倒・転落あるある事例集』が
ベースになった新たなツール!
難解な医療用語を理解し
わかりやすく伝えることに注力

さいたま赤十字病院様が用意された最初の原稿

永松

さいたま赤十字病院様では、足利赤十字病院様と協働で制作した職員様向け教育ツールである『転倒・転落あるある事例集』をご活用いただいておりました。その事例集にならって、誤嚥事故のリスクを職員に改めて周知するために、「嚥下に関する事例集も作成したい」と、医療安全推進室の副部長より連絡をいただきました。

病院様を訪問したところ、なんと『転倒・転落あるある事例集』の構成に準じて原稿を用意してくださっていたんです。その原稿から、『転倒・転落あるある事例集』と同じく4コマまんが風の絵コンテを作成すれば、スムーズに進められそうだなと思ったのですが……。原稿を読ませていただくと、「喉頭蓋」「14fr」「飲水テスト」などの医療用語がズラリ。医療従事者の方であればすぐに理解できると思うのですが、恥ずかしながら私は理解することができず、絵コンテのイメージがまったく想像できませんでした。

さいたま赤十字病院様が用意された最初の原稿

永松

まずは医療用語を調べることからスタートしました。内容をしっかりと理解したうえで絵コンテを作成し、病院様に提案。摂食・嚥下障害看護認定看護師の方をはじめ、管理栄養士、理学療法士、言語聴覚士、歯科衛生士の方々に、「ここは間違っている」「ここはこういうことを言いたかった」など多くのご意見やご指摘をいただき、修正を繰り返しながら内容を固めていきました。

提案時の絵コンテ。4コマまんが風のイラストの下に説明文を入れることで、
誰にでもわかりやすく

軟菜、嚥下食、お祝い膳…
試食で細部までしっかり観察し
リアリティにこだわった
絵コンテが完成

永松

摂食嚥下の事例集なので、入院中の患者さんが食事をする場面を描く必要がありました。とはいえ、ペースト食や軟菜、嚥下食、お祝い膳など、病院での食事がどんなものがイメージできず、作業が行き詰ってしまうことも……。病院様に相談したところ、実際の病院食を試食させていただく機会を設けていただきました。とてもおいしかったですし、おかげでイメージがぐっと膨らみ、リアリティある絵コンテを描くことができました。

病院食の一例(お祝い膳)

石川

病院様とのやり取りにより内容が固まったところで、絵コンテからイラストの作成へ移りました。改めて病院様にご確認いただき、「このように描いてくれるとよりわかりやすい」など、活発なご意見をいただくことができました。

永松作成の絵コンテを
石川がイラスト化

イラストの横に注意すべきポイントを掲載し、わかりやすく解説

永松

私たちからも、事例集で使用する用語を統一するお願いをしました。また、誤嚥性肺炎による判例を追加するといった提案もさせていただきました。

7テーマ98事例を紹介した
職員向け事例集が完成!
発刊理由や活用目的も掲載し
職員様への啓蒙にもつなげた

永松

そして、ご要望をいただいてから約1年後の2018年9月、病院様との多くのやり取りを経て、「口腔ケア」や「姿勢・介助」、「服薬」、「誤飲」などの7テーマ、98事例を掲載した『摂食嚥下あるある事例集』が完成しました。

事例集の最初のページには、副院長と看護部副部長様のご厚意により、発刊理由や活用目的に関するメッセージ文も掲載させていただきました。事例集の完成に向けてご尽力いただいた病院の皆様には心から感謝しております。

事例集の制作過程における、病院様とのやり取りの一部をご紹介します。


『摂食嚥下あるある事例集』に掲載する事例検討中の1コマ

  • 軟膏やPTPシートを口に入れてしまう患者さんも
    いらっしゃるのですね。

  • 実際にそういう患者さんも
    いらっしゃいます。


『摂食嚥下あるある事例集』のイラストを元に病院様とディスカッション中の
1コマ

  • 「頭頸部」は間違いで、正しくは「頭頚部」です。

  • 失礼しました。修正します。

現在は、全職員様に事例集を配布していただき、食事形態や患者さんの食事中の癖が摂食嚥下の危険性に影響することを周知して、個別性のあるケアの実現を目標に取り組んでいらっしゃいます。その他、入院患者さんやご家族に摂食嚥下のリスクについて説明する際にも活用いただいています。さらに、当社営業部から全国の医療機関にも配布したところ、看護職員研修などでも活用いただいており、正しい摂食や嚥下を指導するためにお役立ていただいているようです。退院指導や、在宅での食事への注意喚起など、続版の発刊希望の声も多くいただいていますので、これからもわかりやすい「あるある事例集」をモットーに制作していきたいと思います。

病院概要

日本赤十字社さいたま赤十字病院

所在地
〒330-8553 埼玉県さいたま市中央区新都心1-5
開設
昭和9年7月
病床数
638床
ホームページ
http://www.saitama-med.jrc.or.jp/

病院様と一緒に取り組んだ安全・安心のためのツール一覧

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