ケアコム Carecom Smile

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日本赤十字社 足利赤十字病院様

4コマまんがで文章を読まなくても
誰もがわかるように!
患者さんの転倒・転落防止啓発に向けた
職員向け「あるある事例集」を作成

本ページの内容は、2015年より開始した制作時の情報に基づいています。
作成ツール転倒・転落あるある事例集
ケアコムでは、病院様のご要望をお聞きしながら、現場で役立つツール制作も行っております。足利赤十字病院様との取り組みにおいては、職員(特に新人職員)様に向けた教育ツールとして、院内での転倒・転落低減のための事例集を作成しました。各部署に配布したり、新人研修などでの教材として利用いただくほか、入院患者さん用のパンフレットとして危険防止の説明にも活用いただいています。
ダウンロードいただき、皆様の施設でもぜひご活用ください。

足利赤十字病院様は、2011年の新築移転を機に病室が全室個室になりました。看護師様の人数は限られているため、常に患者さんを見守ることは難しく、転倒・転落のリスクが高まっていました。そこで、注意喚起のポスターやパンフレットを用いて、患者さんに対する転倒・転落リスクの啓蒙活動に取り組まれてきました。一方、職員様の中でも特に新人職員様に向けた転倒・転落に関する教育ツールがなかったため、「楽しく学べるツールが欲しい」との要望をいただきました。

永松 英示
環境整備支援ユニット
リーダー
石川 富雄
環境整備支援ユニット
新人職員様や学生の皆様に、転倒・転落事故が発生する原因や状況を理解していただけるよう、4コマまんが風のイラストをご提案しました!

転倒・転落事故を減らしたい
看護師長の一言を受け
イラスト版リスク事例集の
制作がスタート !

永松

始まりは、「患者さんの転倒・転落を減らしたい」という、医療安全推進室の看護師長の一言。そこで、まずはどのようなシチュエーションで転倒や転落が発生するのかを考えることから始めました。「自分が患者だったらこういうときに転ぶだろうな……」と、いろいろな場面を想像した結果、意外にも起こりそうな事例がたくさん思い浮かびました。そして、それらの事例をわかりやすく整理するために、4コマまんがにまとめてみました。

しかし、本当にまんがでの表現でよいのだろうかという不安も……。なぜなら、ほかの医療機関のツールを調べてみると、1コマのイラストに解説文を加えているものが多かったからです。でも、それでは解説が長くなってしまい、あまり読んでもらえないかもしれない。

ところが私の不安をよそに、病院様からは「ぜひこれを事例集にしたい」というお話が! こうして、4コマまんがを使った転倒・転落事例集の制作がスタートしました。

永松が描いた絵コンテ。
さまざまなシーンを思い浮かべながら、4コマで表現していった。
イラストの下には短い説明文を記載した

石川

永松の絵コンテを元に、手書きイラストの作成を開始しました。毎月イラストを提案し、病院の皆様と何度もディスカッションを重ねました。結果的に、描いたコマ数は1,300超!
我ながらがんばりました。

永松

提案した中から、最終的に作り出したのが250事例。さらに、病院様の体験記100事例を追加し、全350事例からなる『イラスト版リスク事例集』が完成。「転倒・転落」「離床」「抑制・すり抜け」などの8つのテーマに分けて、わかりやすく読めるように工夫もしました。完成までは、およそ1年半かかりました。

『イラスト版リスク事例集』

『イラスト版リスク事例集』

イラスト版リスク事例集を
職員研修用として採用!
注意点をより理解できるように
ワンポイント解説欄も追加

永松

『イラスト版リスク事例集』完成後のある日、看護師長から「職員研修でも使いたい」とご要望をいただきました。さっそく制作委員会を立ち上げて、内容の検討をスタート。リハビリテーションでも転倒・転落のヒヤリハットが発生していることから、リハビリテーションの担当者様にも加わってもらうことになりました。

病院様からは、「教科書的なものにはしたくない。こんな事例があるということを知ってもらうことが大事」「転倒・転落の原因や状況を想像できない新人職員や学生でも、簡単に危険予知を学べるものにして欲しい」など、さまざまなご意見が。最後まで楽しみながら読んでもらいたいと考え、名前を『転倒・転落あるある事例集』とし、4コマまんがで伝える見せ方は継続することにしました。

事例は、『イラスト版リスク事例集』の中から選択していただくことに。職員研修用に絵コンテを調整し、病院様に提案させていただきました。

イラストの横に注意すべきポイントを追加し、
わかりやすく解説した

永松

事例は、『イラスト版リスク事例集』の中から選択していただくことに。職員研修用に絵コンテを調整し、病院様に提案させていただきました。

石川

病院様とは絵コンテを見ながら直接意見を出し合い、イラスト内の患者さんの体勢や、器具の使い方など、正しい情報を提供できるよう、細部の描写までこだわって何度も修正を重ねました。

永松

病院様とディスカッションを続けていく中で、多くの気づきもありました。例えば、イラストだけでは職員の方が一番注意すべきポイントの啓発が不足してしまうため、コマの右端にワンポイント解説欄の追加を提案しました。

イラストの横に注意すべきポイントを追加し、
わかりやすく解説した

構想から約2年。
7テーマ139事例を
紹介した事例集が完成!

永松

『イラスト版リスク事例集』の完成から約半年後の2016年9月、病院様との多くのやり取りを経て完成したのが、現在の『転倒・転落あるある事例集』です。

事例集の最初のページには、院長と看護師長のご厚意により両名様からのメッセージ文も掲載させていただきました。事例集の完成に向けてご尽力いただいた病院の皆様には心から感謝しております。

事例集の制作過程における、
病院様とのやり取りの一部を
ご紹介します。


『イラスト版リスク事例集』に掲載する事例案を提案したときの1コマ

  • 想像しながら転倒・転落の事例案を考えてみたのですが……
    こんな事例って実際に起こり得るんですか?

  • それが実際に起こっているんですよ。

  • えっ、そうなんですね!? では、事例集に反映します。


『転倒・転落あるある事例集』に掲載する事例選定中の1コマ

  • ちょっとした「気づき」が事故件数の低減につながることも
    あるので、『イラスト版リスク事例集』のこの事例は
    絶対に入れた方がいいと思います。

  • そうですね。『転倒・転落あるある事例集』にも入れましょう。


『転倒・転落あるある事例集』の絵コンテを元に病院様とディスカッション
したときの1コマ

  • リハビリテーションは「訓練」ではなく
    「練習」という表記にしてください。

  • 承知しました!

現在は、各部署に配布すると共に、新人研修ですべての新人職員様にも配布いただいています。また、イラストがわかりやすいということで、7種類ある入院患者様向けの転倒・転落予防パンフレットにもイラストを転用し、患者様のリスク啓発にもご活用いただいています。さらに、当社営業部から全国の医療機関にも配布し、職員研修などで活用していただいています。

病院概要

日本赤十字社足利赤十字病院

所在地
〒326-0843 栃木県足利市五十部町284-1
開設
昭和24年7月
病床数
555床
JCI認証取得
2015年2月7日
ホームページ
http://www.ashikaga.jrc.or.jp/

病院様と一緒に取り組んだ安全・安心のためのツール一覧

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