ケアコム Carecom Smile

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日本赤十字社医療センター

大好評の「あるある事例集シリーズ」!
イラストや写真を効果的に用いて
自己抜去の基礎知識も徹底解説しながら、
深い理解を促す職員様向け事例集を作成

本ページの内容は、2017年より開始した制作時の情報に基づいています。
作成ツール抜去あるある事例集
ケアコムでは、病院様のご要望をお聞きしながら、現場で役立つ各種ツールを協働で制作しています。日本赤十字社医療センター様では、抜去に伴う患者さんの不快感や痛みなどを、看護師により理解してもらうことを目的に事例集を作成。センター内の職員研修などでご利用いただいています。
ダウンロードいただき、皆様の施設でもぜひご活用ください。

点滴時などに起こる自己抜去は、せん妄や認知症の患者さんに多い行為であり、どの医療施設でも発生する問題です。そのため、日本赤十字社医療センター様では、職員様の自己抜去に対する知識や、患者さんの気持ちに対する理解を深めたいとお考えでした。そこで、以前足利赤十字病院様と協働で作成した「転倒・転落あるある事例集」と同じような事例集を、患者さんの点滴抜去などをテーマに作りたいとのご要望をいただきました。

永松 英示
環境整備支援ユニット
リーダー
石川 富雄
環境整備支援ユニット
職員様向けの事例集ということで、患者さんが自己抜去に至る理由や、その理解を深めていただけるよう、基礎知識の解説ページを設けました!

転倒・転落あるある事例集から着想!
医療施設3大インシデントの一つの
「患者さんの抜去」をテーマに
事例から学べるツールを作成

制作初期に使用した資料

永松

『抜去あるある事例集』は、日本赤十字社医療センターの医療安全推進室様よりお問い合わせいただいたことがきっかけで作られました。テーマとして取り上げてほしいとご相談いただいたのは「患者さんの抜去」です。

一般的に、医療施設における3大インシデントは「転倒・転落」「誤認」、そして「抜去」です。点滴などの自己抜去は認知症患者、せん妄患者、さらに小児患者など、幅広い年齢層の患者さんに多い行為で、治療の妨げとなる危険な行為です。日本赤十字社医療センター様は、看護師が抜去の知識を深めることで、少しでも抜去による事故を防ぐことが重要であることから、職員向けに、抜去をテーマにした事例集を作成したいとご依頼をいただきました。

ポートや硬膜外麻酔、ドレナージ…
抜去対象の解説ページを設け、
基礎知識の理解を深めてから
読み進められるよう工夫

永松

一概に抜去と言っても、ドレーンやチューブ類の抜去対象は腕に穿刺する点滴以外にもたくさんの種類があります。一般的に知られているもの以外にも数多くあるので、まずそれらの紹介をしなければいけないと思いました。
結果、血管系や消化器官系などの種類別に計20種類を、3ページにわたって紹介。それぞれにイラストを添え、説明だけではなく視覚的にも理解できるようにしました。

さらに、今回の事例集では「せん妄」「認知症」「子ども」の患者さんをフィーチャーした抜去事例を取り上げており、それぞれの事例を紹介する前に、「せん妄の理解」「認知症の理解」など、患者さんの病状や状態の理解を深めるぺージを作成しました。この作成にあたっては、医療安全推進室様と共に、精神看護専門看護師、老人看護専門看護師、認知症看護認定看護師、認知症ケアサポートチーム看護師および小児看護専門看護師の皆様にもご協力をいただきながら、よりわかりやすく正確な情報の収集に努めました。

石川

今回のイラストを描くにあたり、穿刺の方向や小児経鼻のチューブ類の表現、透明フィルムドレッシング剤などの医療用品の再現に注意しました。わかりやすくキャッチーなイラストを意識する反面、穿刺の方向やチューブの表現など、誤った認識をもたれないように描くことを意識しました。

内容を何度も確認しながら
職員向けの事例集が完成!
患者安全を啓蒙するため
多くの施設での利活用が期待される

永松

医療用語や看護用語でわからないことも多々あったため、絵コンテを描く際に病院様に何度も確認し、私自身も理解を深めていきました。特にせん妄について理解することが難しく、精神看護専門看護師さんには何度も丁寧にご説明いただきました。

ご要望をいただいてから約2年後の2019年9月、多くのやり取りを経て『抜去あるある事例集』が完成しました。危険な抜去を阻止するため、この事例集が少しでも役立てばうれしい限りです。事例集の完成に向けてご尽力いただいた病院の皆様には心から感謝しております。

事例集の制作過程における、
病院様とのやり取りの一部を
ご紹介します。


『抜去あるある事例集』に掲載する事例検討中の1コマ

  • せん妄を引き起こす原因は①直接因子②準備因子③促進因子の3つがあります。

  • はいっ?言葉だけではわかりません…。

  • 例えばてんぷらなべの火災を「せん妄」とみたてて考えてみると?

  • こんな感じですか?

  • やっぱり元に戻しましょうか。

  • そうですね、シンプルなほうが理解しやすいと思います。

事例集は、新人職員様への指導やセンター内の職員研修などで使用されています。また、今回の事例集では、患者さんの気持ちにフォーカスした内容も盛り込みながら工夫したので、自己抜去の根本的な改善につなげるべく、多くの医療施設での利活用を期待しています。

病院概要

日本赤十字社医療センター

所在地
〒150-8935 東京都渋谷区広尾4-1-22
開設
昭和47年11月
病床数
708床
ホームページ
http://www.med.jrc.or.jp/

病院様と一緒に取り組んだ安全・安心のためのツール一覧

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